自作小説を見てもらうブログ

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2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

連鎖する依頼_11

「何で知ってるの」「ここ、私の家の近くなんだ。休めるところあるからおいで」 俺は黙って頷いた。「私、ユウリ。自分で歩ける?」 また、黙って頷いた。ユウリも頷いて、歩き出す。俺に合わせて歩いてくれた。5分くらい歩くと、ユウリが立ち止まった。何の…

連鎖する依頼_10

「おい」と聞こえたとき、びくっと体がはねた。油断していた。振り返ると、チョーカーをした男が立っていた。「どこに行くんだ。こんなにめちゃくちゃにしといて」 その問いかけには答えなかった。答える理由もなかった。「答えないなら殺す。答えても殺す」…

連鎖する依頼_9

首に噛みつかれる瞬間、目をつむった。何秒か待っても痛みが来なかった。目を開けた。目の前に黒い球体があった。俺の背丈くらいある。獣使いが目を見開いていた。「なんなんだね、それは」 俺は答えなかった。答えられなかった。そもそも、俺が出したものな…

連鎖する依頼_8

「いつの間に」 男が声を荒げる。 怒りが爆発した。男の腹に突然穴が開いた。自分の荒い息が聞こえる。 オキナの様子を見る。鼻に手をかざした。息をしていない。大量に出血していて、もう死んでいるのだろう。また、怒り。「くそっ」と叫ぶ。男の顔が消し飛…

連鎖する依頼_7

「危なかったね。どんな力をイメージしたんだい」「守る力が欲しかったんです。だから、防壁をイメージしました」 紅茶を一口啜った。温かい紅茶が体に染みるようで、少し落ち着く。俺たちはオキナの家に戻ってきていた。「防壁で木を破壊する…すごく危険な…

連鎖する依頼_6

「伏せろ」 その声のほうを見ると、若い男が近づいてくるのが見えた。突然、視界の隅に獣が躍り出て、反射的に体がびくっとなる。さっき消えた獣と同じ姿だった。獣が若い男に向かって走り出す。若い男は親指を立てて、人差し指を獣に向けた。人差し指の先か…